NVC導入による企業の生産性向上

今回は、NVCを活用したCollaborative Communication (CC)*の研修効果について、2012年7月ワシントンDCで開催された社会的責任のための心理学者による30周年会議で発表された内容を、日本語訳にしてご紹介します。

*CCはNVCの別称

Mark株式会社におけるエグゼクティブを対象とした 研修インパクトについて、研修前インタビュー、5日間研修、毎月1回の統合研修、毎月2回のピアコーチングを含んだ半年に及ぶ調査が行われました。その結果、職場における傾聴スキルと、生産性、有効性、モチベーション、チームワークの向上の関連性が確認されました。

この調査による特徴として
• 100%の参加者が、自分または同僚の効率性が向上したと報告。
• 67-90% の参加者が問題解決に要する時間の減少を報告。おおよそ10-33%の時間削減。
• 全般的な効率性は80%以上改善、一番少なかった参加者の改善率は10%。
• 問題解決のための会議数が50-80%減少。スタッフ会議の時間は半減。

全般的に、参加者は下記事項を報告。
• ソフトウエアの利用ミスの減少。
• オフショア(受託生産)コストの減少。
• 開発サイクルのスピードアップ。
• 少ないスタッフによる、迅速な問題解決。
• 多様性に対応する自信。
•リスクを取れる安心感 。
• 仕事を楽しむ。
• 信頼、明確性、一致、責任感の向上。
• 以前は解決できなかったことに変化が見られた。

協力パラダイムに基づくCCのコンセプトは、同僚を仲間と捉え、チームとして効果的に仕事に取り組みます。シナジー、オープンさ、信頼、結束、エンゲージメント、成功に向けた取り組みをサポートする環境にあり、人間関係の様々な側面の改善に効果的です。コミュニケーションと風通しの良い人間関係の中で働いていると、スタッフはより効率的に高い質の仕事ができます。ビジネス環境の改善は、生産性の向上と深いつながりがあることを示したCC研修の調査結果でした。

引用元:Summary of Impact Assessment: Collaborative Communication Training
By Dr. Jane Connor with Dr. Dian Killian, Dr. Robert Wentworth, Martha Lasley, MBA

https://workcollaboratively.files.wordpress.com/2015/05/ccimpact_conferencepaper_2012-onesheet.pdf

投稿者プロフィール

NVCコミュニケーションコンサルタント 星空ふみこ
アフリカ・途上国支援アドバイザー、NVCトレーナー、メディエーター、コーチ

米フレッチャー法律外交大学院卒(国際関係)。世界60カ国を渡り歩き、アフリカを中心とした30カ国において人道・開発支援に20年従事。青年海外協力隊に参画後、国連職員として難民に対する食糧支援の夢を実現するものの、移動先で開発支援の現実とのギャップに退職。世界放浪の後、再び国際開発コンサルタントとしてアフリカの現場に戻り、紛争影響国の復興支援、難民支援戦略策定、パレスチナ・ガザ調査に従事。東北大震災では緊急医療支援調整員として参加。その後、アフリカ支援を行う財団法人の経営陣として転職。合併直後の組織改革を率いるものの、組織内対立に頭を悩ます。退職後は、職場におけるコンフリクトマネジメントに対応するため、NVCを集中的に学び、現在はNVC認定候補生としてNVCを教える他、コーチングやメディエーション(調停)を行なっている。グローバルな視点から途上国支援・SDGsアドバイザリーを提供し、「世界平和は一人一人の心の平和から始まる」ことを人々に伝えている。

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